公認心理師試験対策:(11)社会及び集団に関する心理学
はじめに
本記事は、2019年に実施される第2回公認心理師資格試験の自主学習のために、
ブループリントの項目順にキーワードとその概要を並べていきます。
今回は11番目、「社会及び集団に関する心理学」についてまとめていきます。
社会及び集団に関する心理学
対人関係並びに集団における人の意識及び行動についての心の過程
対人ストレス
対人ストレスとは、対人関係におけるイベントがきっかけで引き起こされる心理的な負荷です。
全般的なストレスに対してコーピング(対処)が存在するように、対人ストレスに対しても対人ストレスコーピングがあり、社会心理学の分野で幅広く議論されています。
対人関係に限った話ではありませんが、ラザルスの理論では、全般的なストレスコーピングは以下の2種類に分類されると考えられています。
- 問題焦点型
問題を直接解決しようとする対処法
- 情動焦点型
気晴らしやストレッサーによる苦痛の軽減を目的とした対処法
集団内過程、集団間過程
ソーシャル・ネットワーク、ソーシャル・サポート
人と人とのつながりで形成されるネットワークをソーシャルネットワークといいます。
ネットワークは、いくつかのまとまりが存在しており、まとまりのひとつをクリークといいます。
しかしながら、ここ10年ほどでソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が普及してきたため、それ以前の研究とはネットワーク構造が変わってきています。
クリークも、学校などの単に物理的に近距離な集団よりも同じ趣味嗜好で形成されていることのほうが多そうです。
このような時代の変化を受けてか、Twitterを使用した研究も盛んに行われています。
ソーシャルサポートとは、社会的な資源により受けられる支援を指します。
この資料が参考になりました。
ソーシャルサポートには以下の4種類があります。
- 情緒的サポート
共感、安心、愛着、尊敬の提供
- 情報的サポート
問題解決の手助けと助言
- 道具的サポート
日常生活でのサービスや仕事による支援
- 評価的サポート
自己評価に関するフィードバック
ストレスの対処としてのソーシャルサポートは、以下2つの機能を持ちます。
- 健康維持と回復
- ストレスに対する緩衝機構
一方で、ソーシャルサポートはむしろストレスを増大させる指摘もあります。
大きなサイズのネットワークになると、そのサポートを受けるだけでなく、自らが与える際の役割感からストレスを感じやすくなります。
また、サポート源が家族の場合に、期待と実際の行動とに矛盾が生じるときに、サポートに対してストレスを感じるようです。
集合現象
あまり「集合現象」で検索をかけてもヒットしないのですが、ブループリントに加えるほどメジャーな用語なんでしょうか・・・
調べた限りでは、大衆行動とか、社会現象といった用語と並び、大衆行動は以下のように定義されています。
特定の個人、特定の集団の枠を超えて、不特定多数の人々、すなわち大衆が行う行動の集合をいう。
(引用元:大衆行動(たいしゅうこうどう)とは - コトバンク)
流行現象や、ある集合(集団)の情報への注意といった、マクロレベルでの現象を指すようです。
人の態度及び行動
家族、集団および文化が個人に及ぼす影響
家族関係
家族の中でも、母子関係は愛着やパーソナリティの形成に大きく影響を与えます。
そのような中で、極端な例として、虐待の有無は個人に大きくネガティブな影響を与えます。
虐待については、過去の記事で紹介しました。
試験に出るかはわからない余談ですが、個人から見た家族との関係性を捉える方法として、"Family System Test"(FAST)があります。
これは、家族の成員と個人との心理的な距離や、個人に対する影響性を視覚的に捉える方法の一つです。
http://repo.kyoto-wu.ac.jp/dspace/bitstream/11173/2105/1/0080_011_007.pdf
異文化間葛藤
「〇〇な人は☓☓だ」といった断定的な考え方は、特に文化間の差によっても起こりがちです。
この背景には、「アジア人」、「欧米人」といったカテゴリ化とそのカテゴリが持つステレオタイプが影響します。
以下の文献は、事例も含めてわかりやすそうでしたのでメモしておきます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsee/56/3/56_3_3_62/_pdf/-char/ja
本日は以上です。
次回は(12)発達をまとめます。