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公認心理師試験対策:(13)障害者(児)の心理学

はじめに

本記事は、2019年に実施される第2回公認心理師資格試験の自主学習のために、ブループリントの項目順にキーワードとその概要を並べていきます。

ブループリントのPDFファイル

今回は13番目、「障害者(児)の心理学」についてまとめていきます。
発達は出題割合が3%ですが、第2回の試験で各種法律用語ががキーワードに追加されています。
法律関係は確認しておきたいので、まとめていきます。

障害者(児)の心理学

身体障害、知的障害及び精神障害

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 <障害者総合支援法>

条文は以下にあります。

www.japaneselawtranslation.go.jp


この法律の目的は以下のように明記されています。

障害者基本法の基本的理念にのっとり、 (中略) 障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付その他の支援を行い、もって障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与すること

また、この法律は、以下の法律と相まって目的を完遂するようにも明記されています。

市町村の責務は以下の3点です(条文の要約)。

  1. 障害者(児)がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、関係機関との緊密な連携を図りつつ、必要な自立支援給付及び地域生活支援事業を総合的かつ計画的に行う
  2. 障害者(児)の福祉に関する情報提供、相談対応、調査および指導
  3. 意思疎通について支援が必要な障害者(児)が障害福祉サービスを円滑に受けられるよう環境を整備すること、障害者(児)に対する虐待の防止及び早期発見のために関係機関と連絡調整を行うこと、その他障害者等の権利の擁護のために必要な援助を行うこと

都道府県の責務は以下の4点です(条文の要約)。

  1. 市町村が行う自立支援給付及び地域生活支援事業が適正かつ円滑に行われるよう、市町村に対する必要な助言、情報提供
  2. 市町村と連携を図りつつ、必要な自立支援医療費の支給及び地域生活支援事業を総合的に行うこと
  3. 障害者(児)に関する相談及び指導のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものを行うこと
  4. 市町村が行う障害者(児)の権利の擁護のために必要な援助が適正かつ円滑に行われるよう、市町村に対する必要な助言、情報提供

4番目については、助言や情報提供だけでなく、都道府県も市町村と協力して支援を行う旨の内容も併記されています。

次に、本条文で記載されている用語の定義をまとめます。

「障害者」とは、以下3点を指します。

「障害児」とは、児童福祉法第四条第二項に規定する障害児及び精神障害者のうち十八歳未満である者をいいます。
「保護者」とは、児童福祉法第六条に規定する保護者をいいます。
「障害程度区分」とは、障害者(児)に対する障害福祉サービスの必要性を明らかにするため、当該障害者(児)の心身の状態を総合的に示すものとして厚生労働省令で定める区分です。

発達障害者支援法

条文は以下にあります。

www.mext.go.jp


この法律の目的は以下のように明記されています。

発達障害者の心理機能の適正な発達及び円滑な社会生活の促進のために発達障害の症状の発現後できるだけ早期に発達支援を行うことが特に重要であることにかんがみ、発達障害を早期に発見し、発達支援を行うことに関する国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、学校教育における発達障害者への支援、発達障害者の就労の支援、発達障害者支援センターの指定等について定めることにより、発達障害者の自立及び社会参加に資するようその生活全般にわたる支援を図り、もってその福祉の増進に寄与すること

定義についてまとめます。

この法律で発達障害とは、以下のことを言います。

発達障害者」とは、発達障害を有するために日常生活又は社会生活に制限を受ける者をいいます。
発達障害児」とは、発達障害者のうち十八歳未満のものをいいます。
「発達支援」とは、発達障害者に対し、その心理機能の適正な発達を支援し、及び円滑な社会生活を促進するため行う発達障害の特性に対応した医療的、福祉的及び教育的援助をいいます。

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律 <精神保健福祉法>

条文は以下にあります。

www.mhlw.go.jp


この法律の目的は以下のように明記されています。

精神障害者の医療及び保護を行い、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)と相まつてその社会復帰の促進及びその自立と社会経済活動への参加の促進のために必要な援助を行い、並びにその発生の予防その他国民の精神的健康の保持及び増進に努めることによつて、精神障害者の福祉の増進及び国民の精神保健の向上を図ること

精神障害者」とは、統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者をいいます。

都道府県は、「精神保健福祉センター」を設置する義務があります。
精神保健福祉センターは、以下の業務を行います。

  1. 精神保健及び精神障害者の福祉に関する知識の普及、調査研究
  2. 精神保健及び精神障害者の福祉に関する相談及び指導のうち複雑又は困難なものを行う
  3. 精神医療審査会の事務を行う
  4. 申請に対する決定及び支給認定(精神障害者に係るものに限る。)に関する事務のうち専門的な知識及び技術を必要とするものを行う
  5. 市町村(特別区を含む)が支給の要否の決定を行うに当たり意見を述べる
  6. 市町村に対し技術的事項についての協力その他必要な援助を行う

この法律では、心理師の試験で重要な入院形態についても書かれています。

入院形態 概要
任意入院 本人の同意に基づいた入院
措置入院 精神障害者及びその疑いのある者を知った者が、その者について指定医の診察及び必要な保護を都道府県知事に申請して実施する入院
医療保護入院 本人の同意なしに実施される入院、医療保護入院と応急入院を含む

医療保護入院は、本人の同意なしに家族の同意があれば実施できる入院ですが、以下の条件があります。

  1. 指定医による診察の結果、精神障害者であり、かつ、医療及び保護のため入院の必要がある者であるが本人が入院を同意しない
  2. 上記のような状態で、都道府県知事による判断で移送された者

応急入院は、本人及び家族の同意なしに実施できる入院です。
直ちに入院させる必要があるのに家族等の同意が得られていない場合に適用されます。
入院は72時間に限られます。
適用には以下の条件があります。

  1. 指定医の診察の結果、精神障害者であり、かつ、直ちに入院させなければその者の医療及び保護を図る上で著しく支障がある者であるがおhんにんが入院を同意しない
  2. 上記のような状態で、都道府県知事による判断で移送された者

障害者(児)の心理社会的課題と必要な支援

合理的配慮

文部科学省のページで概要が整理されていました。

www.mext.go.jp


「合理的配慮」とは、障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいいます。

障害のある児童生徒等に対する教育を小・中学校等で行う場合には、合理的配慮として以下のことが考えられます。

  1. 教員、支援員等の確保
  2. 施設・設備の整備
  3. 個別の教育支援計画や個別の指導計画に対応した柔軟な教育課程の編成や教材等の配慮

合理的配慮の例は、以下のページにまとめられています。

www.mext.go.jp


上記は教育場面についてでしたが、以下の記事は職場など広い場面での合理的配慮の例や考え方がまとめられています。

snabi.jp


今回は以上です。
次回は(14)「心理状態の観察及び結果の分析」をまとめます。